VALLOON CREATIVE PERTNER

【セミナーレポート】変化に対応し、創造する人材をどう育てるか-人材育成にアートがもたらすもの-

Report

2024.09.06

<セミナー概要>

2024年8月7日、株式会社アントレプレナーファクトリー(enfac)主催のオンラインセミナーにて、有限会社金沢アトリエの代表取締役である尾竹仁と運営する湘南美術学院の看板講師である佐藤友則が「企業における人材育成とアートの視点」をテーマに講演しました。40年以上にわたり美術教育を続け、数多くの生徒を東京芸大合格レベルに育て上げた経験から、アートがビジネスにおいてどのように役立つかについての洞察が共有されました。

<セミナーの冒頭部分をテキストでご紹介>

嶋内氏(enfac代表)|本日のセミナーでは、アートの視点をビジネスに応用することで、変化に対応し、創造する人材をどう育てるか、その具体的な方法を探ります。アートが創造性や柔軟な思考を養うための重要なツールとして注目されている今、それが自立型人材の育成にどのように結びついていくのか、深掘りしていきたいと思います。

今回は、湘南美術学院の佐藤友則講師が出演する動画『絵画史-イノベーション発揮に繋がるアート力-』のリリース記念セミナーとなります。では、早速本日ご登壇いただく方々をご紹介します。まずは、有限会社金沢アトリエ代表取締役尾竹仁さん。尾竹氏は、慶應義塾大学卒業後、博報堂プロダクツでテレビCM制作を経験したのち、2016年に有限会社金沢アトリエに入社。2018年より経営に参画し、数年来の赤字を黒字化へと導き、2024年6月に代表取締役社長に就任されました。「美術は世界を変えられる」をコーポレートアイデンティティとし、コングロマリット企業の変革に取り組んでいます。

そしてもう一人、湘南美術学院の油画科責任者として長年に渡り絵画指導に従事されている佐藤友則さんです。佐藤氏は、過去10年間に限っても100名以上の生徒を東京藝術大学へ送り出してきました。感覚や感性、才能だけで語られがちな美術の世界で、深い造詣に裏付けされた独自の分析方法を用いて生徒を導いています。本日はその視点をもとに、創造性を育むための具体的な方法についてお話ししていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

尾竹|弊社、有限会社金沢アトリエでは、湘南美術学院という美大・芸大進学予備校を主力の事業として展開しており、1972年の創業から50年近くにわたり美術教育に携わってきました。私はその二代目社長となります。

アートというテーマは非常に難しいとされがちですが、これを分かりやすく皆さんと共有するために、我々が日常的に行っている指導現場の事例をもとに、生徒をどのように育てて美大進学までのプロセスを導いているのかをご紹介します。その視点が、皆様のビジネスや人材育成の観点で役立つヒントになれば嬉しいです。

アート作品にはさまざまなジャンルがあり、大学の専攻としても分類されています。白黒のものから色彩豊かなものまで、それぞれに必要な技術や考え方が異なります。そのため、各目的に応じた指導を展開しています。東京藝術大学は美術大学の最高峰であり、当学院はこれまで多くの合格者を輩出しています。数多くの生徒を東京芸大合格レベルまで育てる教育事業を長年続けてきた弊社の経験から、人材開発やビジネス分野においても新しい気づきになることをお伝えできれば幸いです。才能やセンスがなければ、組織のリーダーは務まらないのか?アート教育を紐解き、これがビジネスの場でどのように応用できるかについて、皆さんと一緒に考えていければと思います。

佐藤|東京芸大は、日本で唯一の国立芸術大学です。実は国立の芸術大学って、日本とフランスにしかないんですよ。それだけでも、全国的に人気があるのは納得できますよね。私がこの指導に携わってから、もう40回目の夏を迎えますが、これまでに数千人にのぼる生徒に絵画指導をしてきました。

油画や日本画など、専攻科によって出題内容も異なるのですが、東京芸大の入試って、同じ出題が過去に一度もないんです。毎年、全く新しいテーマで、しかも答えがないんです。これにどう答えるのかというのが、受験生にとっての課題です。ただ、『こうすればいいんだ』といった傾向と対策は、まるで通用しません。

今ここに9枚の作品を紹介していますが、これらは入試合格者の再現作品です。予備校として、いろいろな資料を持っていますが、この”再現作品”というのは、特Aランクのものです。なぜかというと、これが”答え”だからです。合格した生徒が実際に試験会場で描いた絵を、全く同じ大きさ、同じ素材、同じ制作時間で再現してもらったものです。こういう絵を描いた人が合格したということなんです。本日は特別にお見せしていますが、本来は企業秘密なんですよ。

油画科でいえば、1,000人の受験生がいて、その中で55人が合格するんですが、その選ばれた55人の作品のバリエーションが本当にすごいんです。芸大側が求めているのは、55種類の個性。決められた正解なんてなくて、油画専攻の定員である55通りの正解があるわけです。では、オリジナリティーや創造性ってどうやって育てるのか? 
人の成長には時差があり、その人によって伸びるタイミングも異なります。その中で、生徒を教育するときに私が大切にしていること。それは、『意外性があることやろうよ。』ということ。同じことを繰り返してはいけない。絵画の歴史という文脈や、その文脈がどう繋がってきたのかという必然性。そういった背景も指導の際に教えています。

アートが進化してきた歴史は、尊敬と批判。違う何かを生み出したいという芸術家としての欲求。アートを教育する際に大切なことは、決まった答えに近接する力を目指すのではなく、新しい何かを生み出すための「問い」を立てられる力を育成すること。『どこへ行きたいのか、それに対してどう挑戦するのか?』ということは、東京藝術大学の入試でも好まれる傾向にあります。

<テキストでのご紹介はここまで>

ここから、実際に東京藝術大学に合格した生徒の作品を例にした具体的な指導内容や、企業での研修におけるアートの活用事例などをお話をしています。

ご興味がありましたら、ぜひアーカイブをご視聴ください。
●価格:
①アーカイブ:1,500円
②アーカイブ+コンテンツ(絵画史):3,000円
※いずれも視聴期間:1ヶ月
※アーカイブ・コンテンツ共にお申し込み時のアドレスに視聴リンクをお送りします。
@enfac.co.jpからのメールが受信できるよう設定をお願いします。

【変化に対応し、創造する人材をどう育てるか?-人材育成に”アート”がもたらすもの-】

また、関連する動画コンテンツ「絵画史-イノベーション発揮に繋がるアートの力-」を視聴することで、セミナーで学んだ内容をさらに深めることができます。歴史を超えて価値を生み出してきたアーティストたちの思考やアイデアのプロセスから、現代のビジネスにおけるイノベーションのヒントを学ぶことができる内容です。アートの視点を通じて、現代のビジネス環境における新しいアプローチをぜひ体験してみてください。

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VALLOONでは、湘南美術学院として培ってきた美術教育のノウハウとアーティストとの繋がりを活用し、皆様の「アートでチャレンジしたい」に合わせた企画・運営をご提供いたします。ご相談はCONTACTよりお気軽にお問い合わせくださいませ。

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