VALLOON CREATIVE PERTNER

自由な線が繋ぐ未来 – coしぶや × VALLOON at JINNAN MARKET

Report

2024.06.27

2024年4月に東京都渋谷区で開催されたJINNAN MARKETでこどもたちが自由に創作できる場を提供するワークショップが行われました。このイベントはcoしぶや(*1)とVALLOONのコラボレーションによって実現しました。ゲストアーティストのTOMOMIさんの協力のもと、多くの親子がアートの楽しさを存分に味わい、大盛況となりました。ワークショップで完成した作品は現在、coしぶやで開催中の「coのこえ展」で展示され、来場者を魅了しています。今回は、このコラボレーションの背景と「coのこえ展」にかける思いや未来展望について、VALLOONの嘉部がcoしぶやでアトリエリスタとして働く天野さんにお話を伺いました。


JINNAN MARKETでのコラボレーションとその意義

嘉部|今回、JINNAN MARKETで小さなお子さんから大人まで参加できるアートワークショップという形でcoしぶやさんとVALLOON STUDIO 渋谷がコラボレーションさせていただきましたが、いかがでしたか?


天野さん|作家さんとコラボレーションするのは初めての試みでしたが、TOMOMIさんの本能的・身体的な部分から生まれる無意識な表現にフォーカスするというコンセプトが、私たちがアトリエで大切にしていることに重なっていたため、安心して参加できました。こういったコラボレーションを通じて、こどもたちが作家さんを身近に感じる機会を持てたことは、非常に貴重な経験となりました。


coのこえ展開催の経緯

嘉部|coのこえ展開催の経緯を教えてください。


天野さん|きっかけは、2年前の夏に創刊された季刊誌「coのこえ」から始まりました。日々、アトリエで生まれるこどもたちの表現を「こどもたちの声」として集め、地域の人たちの声も含めた季刊誌を作ろうという話になり、「coのこえ」と名付けました。毎号、アトリエで生まれたこどもの作品を表紙にし、その絵のドキュメンテーション(*2)を紹介しています。その他に、さまざまな活動やお仕事を通して声を発している地域の方々についてインタビューするなど特集を組んでいます。
 アトリエには日々、多くの親子が訪れ、自由に創作を楽しんでいます。特に1〜2歳の乳児さんも多く、初めて画材や絵の具に触れることが多い中で、画材に身を任せて描いた線画など、抽象的なものがよく見られます。「絵を描く」というと、具体的な形になってはじめて絵を描けたと思うかもしれませんが、coしぶやのアトリエでは、初めての線的表現も素敵な作品と捉えています。作品たちは、持ち帰らずにアトリエに残っているものも多くあり、これらの表現を保存し、展示することでその価値に気づいてもらいたいという思いから、展示を始めました。


こどもの線画に込められた意味

嘉部|そもそも展示とは関係なく、アーカイブとして残していくことが始まりだったんですね。


天野さん|そうです。こどもたちが描く表現は、線一つひとつでも素敵なアート作品に見えました。こどもたちの声を発信し、ゆくゆくは渋谷の街中にこどもたちの表現が届くようにしたいという思いから、「coのこえ」と連動した展覧会を始めました。


嘉部|多くの方にとって「美術」は授業で習うものという感覚があると思います。今回のワークショップでは、何か具体的なものを習って描くのではなく、自分なりの心地良い線を描く、その行為自体に焦点を当てるというものでした。今回の展示コンセプトとの結びつきもあり、とても素敵なイベントになりましたね。


天野さん|こどもたちが描く表現は、その日の線はその日にしか見られません。次の日には新しい表現に変化していきます。それが、こどもたちの豊かな成長の証です。その日描いた線の痕跡を展示することで、その瞬間のこどもの姿が尊いものであることを伝えたいという思いもあります。


嘉部|今回、「coのこえ展」でこどもたちの作品を展示することについて、苦労や感じたことはありませんでしたか?


天野さん|苦労と感じることはなく、こどもの作品が素晴らしいものばかりで、展示できる喜びを感じながら準備しました。展示会場の関係で全ての作品を展示することはできませんが、アート作品として丁寧に扱い、さまざまな表情のこどもたちの表現を配置することができました。特に、線画にフォーカスした展示は、一画面に多くの表現を集めることで、こどもの多様性を表現することが叶いました。また、作品を鑑賞するということに馴染みのない利用者さんも多くいるので、詩的な言葉を添えることで、作品の世界に入りやすいように工夫しています。


VALLOONとの今後の展望

嘉部|JINNAN MARKETでのアートワークショップは、僕も参加しましたが遊びの延長線上という感覚だったので完成したものが作品として展示されると、その価値が際立つというのは新鮮でした。今後もこういった親子参加型のイベントを定期的に行い、JINNAN MARKETが親子で楽しめる場となると素敵だと思います。


天野さん|私たちもそう思います。こどもたちの自由な表現が大人の固定概念を超えて、新たな発見やつながりを生むことを期待しています。今後も、地域と連動しながらこどもたちの表現を発信していきたいと思います。


嘉部|最後に、VALLOONと共創していきたいことはありますか?


天野さん|VALLOONとのコラボレーションを通じて、今後もアーティストさんとの出会いがあれば、新たな表現の可能性や出会いを通じてアートを身近に感じる機会を増やしていけると嬉しいです。もっと多くの人々がこどもたちのありのままの生き生きとした表現に触れる機会を作っていけたら素敵ですよね。


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今回のcoしぶやとVALLOONのコラボレーションは、こどもたちの自由な表現を尊重し、その価値を再発見する機会になりました。今後も、こどもたちの声を大切にしながら、新たな展開を一緒に実現していきたいと思います。

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